2025年NHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」で主役として蔦屋重三郎を演じている横浜流星さん。
実は彼はこれまで大河ドラマにも朝ドラ(NHK連続テレビ小説)にも出演経験はなく、本人もこの大河のオファーをもらったときは驚いたそうです。実際、そのような方が大河の主演を務めるのは、とても珍しいことなんだとか。
横浜さんが大河ドラマの主演に起用された理由はどこにあるのでしょうか。この記事ではその理由と、彼の役者としての魅力が分かる作品を紹介していきたいと思います。
横浜流星 大河ドラマ起用理由、経歴や作品への向き合い方
横浜流星 大河ドラマに起用された理由
NHKプロデューサーのコメントによると横浜流星を「べらぼう」にオファーした理由として、高い演技力はもちろんのこと、彼の役者として人を魅了し引きつける力、そして役作りに対する真摯な取り組み方を挙げています。
これらについて同業者からも好評の声を聞くことが多かったため、大河や朝ドラの出演がないものの横浜さんを信頼して起用することを決めたそうです。
横浜流星 経歴や出演作品
横浜さんは小学校6年のときスカウトされたのをきっかけにスターダストプロモーションに所属。
2011年から2015年3月まで雑誌『nicola』のメンズモデルを務めました。
2012年「仮面ライダーフォーゼ」(テレビ朝日)に出演しドラマデビュー、2014年にも「烈車戦隊トッキュウジャー」(テレビ朝日)でトッキュウ4号を演じ、戦隊モノで活躍しました。
2019年「初めて恋をした日に読む話」(TBS)ではピンクの髪が特徴的な不良高校生・由利匡平を演じ注目を集めました。同作で第43回日本アカデミー賞・新人俳優賞など多くの賞を受賞、多くの人に知ってもらえた作品となり自身にとっても転機となったそうです。
その他に映画でも「いなくなれ、群青」(2019年)、「あなたの番です 劇場版」(2021年)、「流浪の月」(2022年)など話題作への出演が続き、いま最も注目される若手俳優の一人です。
撮影期間前に行う入念な準備
横浜さんの役に対する真摯な姿勢として、撮影前から入念な準備を行うことが知られています。
スキューバダイバー捜査官を演じたドラマ「DCU」(TBS)では、撮影前にスキューバダイビングのライセンスを取得しました。
またボクシングを題材にした映画「春に散る」では、JBCのC級ボクシングプロテストに挑み見事合格。撮影での打ち合いのシーンに迫力と重みを与えることになります。
映画「線は、僕を描く」は水墨画をテーマにした作品ですが、撮影に入る前に実際の水墨画家のもとで1年以上もの間、練習を積んだそうです。映画の中で横浜さんの描く墨絵の繊細なタッチは、まさにこの鍛錬の成果なのだと思わされました。
撮影前の休みの期間なんて、普通だったらのんびり好きなことをして過ごしそうですが、そんなときに入念な準備を行うからこそ、専門的なパフォーマンスができたり、演技での説得力や深みが出てくるのだと思います。
横浜流星の魅力が分かる映画作品
そんな横浜流星の圧巻の演技力や、役に対する姿勢が垣間見れる映画作品をご紹介します。
「流浪の月」(2022年)
あらすじ
雨の公園で佐伯文(松坂桃李)は、家に帰りたくないという少女・家内更紗と出逢い、自分の家に連れていく。
文は叔母の家に居候していたが、従妹の性的虐待に苦しんでいたのだった。
文と穏やかに暮らし始めた更紗だが、2ヶ月が経った頃、文は女児誘拐の罪で逮捕されてしまう。
それから15年のときが過ぎ、大人になった更紗(広瀬すず)はファミレスでバイトをしながら亮(横浜流星)という恋人と生活していた。
ある日偶然、文が喫茶店で働いているところを見つけた更紗は、足繁くそこへ通うようになる。更紗の中には、未だ忘れ得ぬ文を慕う気持ちがあった。
世間的には誘拐犯と被害女児である二人は、あらぬ誹謗中傷を受けることに。
行くあてのないふたつの心が辿り着いた答えとは…?
横浜流星の鬼気迫る演技

横浜流星が演じるのは更紗の恋人・亮。
大人になった更紗と幸せに暮らしているシーンから始まりますが、実は彼には、更紗のような人(他に行く所がない、頼れる者のいない人)しか愛せない、という習性がありました。
序盤こそ仲良く更紗と生活していますが、彼女が元誘拐犯である文のもとへ通っていることが分かると、嫉妬と支配欲から暴走していきます。
更紗を監視するような行動をとったり、あげく暴力を振るい、また文の過去を暴く記事をネットに載せたり…とエスカレートしていく中盤からの変貌ぶりは、目を見張るものがあります。
これまで割と善良な役柄が多かった横浜にとって、この役は大きな挑戦であったそうで、ファンが減ってしまうことも辞さない覚悟で撮影に臨んだそうです。
この作品を更紗の目線で見ると亮はどうしても「単なる悪い(怖い)男」にしか映りませんが、亮には亮なりの苦しみがあり、横浜はそこを解釈して上手く表現しています。
「自分よりも犯罪者である文の方がいいのか。なぜ自分の気持ちを分かってくれないんだ」というやり場のない怒りが、どうしようもなく二人を苦しめるような行動に走ってしまう…そんな葛藤が感じられます。
鬼気迫る怪演ともいえる、横浜流星の新境地をぜひ体感してみてほしいと思います。
「線は、僕を描く」(2022年)
あらすじ
大学生の青山霜介(横浜流星)は2年前に災害による洪水で両親と妹を亡くし、いまもその喪失感の中にいた。
ある日バイトで水墨画のイベント設営に参加した霜介は、椿(つばき)の花が描かれた一枚の水墨画を見て、心打たれ涙する。
そして水墨会の重鎮である篠田湖山(三浦友和)に声をかけられたことがきっかけで彼の生徒となり、水墨画を練習することに。
霜介は一心に水墨画に打ち込み、また水墨会の温かい人達との関わりを通じて、自身の傷ついた心と向き合い少しずつ希望を取り戻していく。
役者陣の魅力
ストーリーはもちろんですが、役者陣の演技がとても魅力的な作品です。
横浜流星演じる霜介(そうすけ)は、家族を亡くした喪失感の中で、美しい水墨画を見て救われる表情や、真摯に水墨画の練習に励む眼差しなど、繊細な心の変化を巧みに表現しています。
清原果耶演じる千瑛(ちあき)は、湖山(三浦友和)の孫娘であり自身も有能な水墨家だが、長くスランプに陥り苦しんでいる。

凛とした美しさはまさに清原果耶にぴったりの役だと思います。表情や感情をあまり表に出さないけど、抑えめの演技だからこそ時折見せる人間らしさに好感を持ちました。
三浦友和演じる湖山(こざん)は文化勲章を授賞するほど水墨会の巨匠でありながら、気難しい老人というわけではなく、むしろ親しみやすい雰囲気で霜介に接する。
江口洋介演じる西濱は、湖山先生らの身の回りの世話をし、霜介に対しては爽やかな兄貴 兼指導係といった感じで、初見で好印象を持ちました。
「何かになるんじゃなくて、何かに変わっていくもんかもね、人ってさ」という台詞が印象的で、腑に落ちました。
こんな深い言葉を日常の中でごく自然に言えてしまうのは、高い演技力の成せる業だと思います。
脇役ですが河合優実も霜介の大学の友人・美嘉として出演。
河合優実は他の作品で、割と一風変わった役どころが多い印象をもっていたので、このような「主人公の周りにいる普通の人」を演じていることが、かえって新鮮に映りました。
横浜流星の演技と作品の見どころ
映画「ちはやふる」の製作スタッフが再集結したことでも話題となった作品です。
全体的に落ち着いたトーンで派手なストーリー展開はないものの、水墨画自体の魅力と、登場人物たちの丁寧な心理描写によって、退屈することなく観られます。
料理で例えるなら化学調味料いっぱいの味付けではなく、自然の素材を活かした優しい風味といった感じ。
冒頭から美しい水墨画を見て心打たれる霜介の表情が映し出され(それは後に、亡き家族との思い出である椿の絵だと分かります)、観る者はまずそこで圧倒されます。
本作はそんな横浜流星のみずみずしく繊細な演技が随所で光る作品です。
横浜は役作りのため、実際の水墨家のもとで1年以上練習を積んだそうです。
役にかける真剣さがうかがえますね。そしてその技術は実際に作品に生かされていると思います。
本作のタイトルが表している通り、墨で描く線は描く者の心の状態を映し出します。霜介がそんな水墨画に打ち込むことは自身の悲しみと向き合うことでもあり、いつしか霜介の心は癒されて止まっていた時間が動き出していきます。
水墨画って堅苦しいイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、観てみるとけっこう引き込まれてしまいます。
大御所の三浦友和が優しい人柄であったり、流麗でエモーショナルな音楽も相まって、作品としては親しみやすく適度にポップな印象を持ちました。
巨大な白紙に筆を使って縦横無尽に墨の絵を生み出していくパフォーマンスは、素人でも見入ってしまうほど圧巻のシーンです。
刺激的な映像があふれている現代で、たかだか墨一色の絵がこんなにも美しく雄弁で迫力のあるものかと思い知らされました。
【横浜流星 出演】映画作品を観るには
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