映画「国宝」が公開から2ヶ月を過ぎましたが、未だ人気は衰えず多くの観客を動員、興行収入は90億円に迫る勢いとなっています。
2025年を代表する映画のひとつになりそうですね。

「国宝」、吉沢亮さんや横浜流星さんが出ている映画ですよね。
何となく歌舞伎の話だっていうことは知っているけれど、
なぜそんなに人気なのかしら?
この記事では、映画「国宝」がどんな話で、なぜそれほど人気があるのか、解説したいと思います。
「国宝」を鑑賞しようか迷っている方のお役に立てば幸いです。

映画「国宝」 人気の理由4つ
ストーリーがすごい
「国宝」の魅力はまず何といっても壮大なストーリーにあります。
任侠の父を殺され天涯孤独となった少年・立花喜久雄(少年期:黒川想矢/青年期:吉田亮)は歌舞伎界の大物・花井半次郎(渡辺謙)に才能を見初められ、その身を引き取られる。
以来、喜久雄は役者を目指して日々歌舞伎の稽古に明け暮れる。半次郎には実の息子の俊介(少年期:越山敬達/青年期:横浜流星)がおり、よきライバルとして共に切磋琢磨し芸の道を歩んでいった。
実子の俊介は御曹司であり将来の成功が約束される身分だったが、一方で喜久雄には俊介を凌ぐほどの凄まじい歌舞伎の才能があった。
あるとき半次郎が怪我をして舞台に立てなくなり、彼は代役を息子の俊介ではなく喜久雄に指名する。
このことから二人の運命は残酷に軋み始め、大きなうねりを見せていくことになる。
50年の歳月をかけ、やがて「国宝」にまで登りつめる喜久雄の人生を描いた、壮大な一代記。
……というストーリーです。
本作は吉田修一の小説『国宝』(朝日新聞出版)が原作となっています。
吉田氏は、本作の執筆に入る前、実際に歌舞伎の世界へ黒子という形で入り、身をもって3年もの間勉強したそうです。
それだけの時間と熱量をもって描かれた話ですから、あれだけ多くの人を惹き込むことができるのだと思います。
俳優自ら踊る、歌舞伎のシーンがすごい

本作は歌舞伎のシーンに相応の時間をとっていますが、その舞が艶やかで重厚で、歌舞伎の知識のない者でも圧倒され楽しむことができます。
通常このようなシーンを撮る場合、プロの歌舞伎役者の方を使うことが多いですが、本作では俳優の吉沢亮や横浜流星自身が舞を演じています。
その理由は、プロが踊るドキュメンタリーのようなものではなく、あくまでも歌舞伎の世界に身を投じ、未熟ながら努力していく者の生き様や苦悩を描く必要があったからだそうです。
吉沢亮はこの歌舞伎の踊りを習得するにあたり、1年半、プロの指導を受けたとのこと。
本作に役者人生を賭けるとの意気込みで臨んだそうで、その気迫が舞う姿から伝わってきます。
吉沢亮の鬼気迫る演技がすごい

主人公の喜久雄を演じる吉沢亮の、かつてないほど鬼気迫る演技も本作の大きな魅力です。
類まれなる歌舞伎の才能を持って生まれた喜久雄。
それに甘んじることなく、弛まぬ努力と、彼いわく悪魔と取引することによって更なる高みに辿り着きます。
しかしどれだけ努力を重ねても、喜久雄が手にすることの叶わないものがあるーーそれが血筋。
世襲制の歌舞伎の世界では血統が何より重んじられ、俊介と違ってしょせん任侠の息子でしかない自分は、一流の役者としては認められないーー。
手に入らないという絶望の中でもがき苦しむ様を、吉沢亮がこれまでにない狂気をはらんだ演技で観る者を圧倒します。
脇を固める俳優陣がすごい

本作は脇を固める俳優陣も豪華で、吉沢亮と横浜流星が主軸となるストーリーを支えています。
喜久雄の父親であり、冒頭で命を失う任侠の組長・権五郎に、永瀬正敏。
権五郎の後妻として喜久雄を育ててきたマツに、宮澤エマ。
喜久雄の幼馴染で、彼を追って大阪に出てくるも心揺れ動く女性・春江に、高畑充希。
京都の花街で出会い、喜久雄の隠れた愛人となる藤駒に、見上愛。
人間国宝の歌舞伎役者として妖艶で圧倒的な舞を見せる万菊に、田中泯。
また喜久雄の少年時代は黒川想矢が務めており、喜久雄が親を失い歌舞伎の世界に入る、物語の大事な導入部分を見事に演じています。
これらの豪華な役者陣が、贅沢にも短い出演時間ながら作品を彩っているのも大きな魅力です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
興味をもった方は是非劇場でご覧になって頂ければと思います。
いずれサブスクなどでも解禁されそうですが、やはりスクリーンの大迫力で観るのとは大きく違いますからね。
本記事が映画「国宝」の魅力を知る一助となれば幸いです。